クラシックとロックしか知らない私がSixTONESのNAVIGATORを聴く(後編)
みなさんこんにちは、宗弥です。
ただの会社員は今日もただの会社員らしく過ごしています。
前回はSixTONESのNAVIGATORを解説する、ということで1番終わりまでを見ていきました。
分けるつもりはなかったのですが、テンションが上がって長くなってしまったので分割しています。
今回でNAVIGATORは一旦終わりなので最後までお付き合いください。
■2番Aメロ
1:15
出だしの8拍×3は1番とリズムが違って、4回し目で1番のリズムに戻るのですが、注目したいのは後ろで鳴っているストリングス。この曲のメインテーマでもある
ソ ミ ファ レ/ミ ド ◯ ◯/ (♯は省く)
が冒頭からガッツリ鳴っているのでかなりの迫力があります。
2番でアレンジを入れてくるというのはバンド界でも多分にあるのですが、ウェブでは公開されてない部分にアレンジがされていると、ファンは一層嬉しいと思います。
CDを買った(ダウンロードした)者の特権というか、フラゲして「2番やばい!!」みたいな呟きするときめっちゃ楽しいですよね。
■2番Bメロ
1:34
ウッドベース!?(もういい)
■2番サビ
2:00
聴きながら読んでいる方は後ろで鳴っているストリングスの音を気に留めておいてください。
■間奏
2:16
恒例のラップターン
2:56
耳元で囁くんじゃない
■ラストサビ
3:27
ありがとうございます!!
ありがとうございます!!!!
解説します。
1番と2番のサビで「後ろで鳴ってるストリングスを聴いておいてください」と言ったのを覚えているでしょうか。
0:56と2:00のOh-oh-oh-oh-oh-ohの部分は
ソ ミ ファ レ/ミ ド ド ミ# (ミ#以外の#は省いています)
と下降する歌のメロディーと同じフレーズでストリングスが鳴っていたのですが、
ラスサビではこのストリングスが主メロディーから外れています。
正直この瞬間キターーーー!!!!!!!!と思いました。
1番と2番のときストリングスが同じメロディーなの面白くないな〜と思ってた(すみません)ので大変嬉しい。
余談ですが、
私が「ラスサビでストリングスを大きく変える」というのを初めて意識したのはスピッツのチェリーです。
もちろん子どもの頃から知ってる曲でしたが、大学でコピバンをするときに初めて楽器を意識して聴きました。
「強くなれる気がしたよ」のあたりから
ラ シド シ ミ/ラ ソ
とストリングスが台頭してきて1番2番と比べて壮大になるんです。
そして「ささやかな〜」の部分、
ミレ/ド ド ミ ソ/ というメロディーに対して一オクターブ上から
ミ~~ レ/ド
と追いかけてくるストリングスに何とも言えない気持ちになったのですが、今思うとあれは確実に「エモい」という感情でした。
しかもこれが2回しあるのでもう最後はずっと脳内物質が出てしまう……
チェリーはラスサビを聴くためにある! と言っても過言ではありません。
是非ラスサビを聴いてみてください。
若い頃の4人が楽しそうに楽器弾いてる姿ににっこり(^^)したのですが、多分草野さんは「男が集まって楽しそうにしてるPVなんてどこに需要があるんだ」とか言いそう。
そんな経験もあってか、サビでストリングスが鳴ってるとつい気になってしまう病にかかっています。
ラスサビで変わるのか!?
どんなフレーズに変わるんだ!? と……
そしてNAVIGATORのラスサビも見事に変えてくれたので
ありがとう!!!!
というわけです。
ただ1点、今でも大満足していますが、しいて言うとすれば
どうせ外すなら壮大なフレーズにして欲しかった……な……
ソ ミ ファ レ
と下降してるので逆に上がるとか、めちゃめちゃ高音から降ってくるとか、もう少しストリングスを前面に押し出しても良かったのではないかと……
せっかくフレーズを変えているのに音が小さめなのと、細かいメロディーになっていてもったいないなと……
本当に勝手な意見です。
もともと混沌とした曲なので、混沌感(混沌感とは?)を出すために最後はあえて細かい音を鳴らしたかもしれません。
ただの好みの問題なので悪しからず!
■おわりに
曲調も好きですが、要所要所にイイ!と思えるリズムやフレーズがあって聴いてて楽しい1曲です。
多分もっと聴いたらもっと見つかると思いますし、今回は楽曲にだけスポットを当てましたが、歌や歌詞、PVも合わせるともっともっと楽しいところが出てくると思います。
あと英語が上手!
今回は「NAVIGATOR」について感想を書きましたが、「1ST」には他にも良い曲があったのでまたの機会にしたためたいです。
SixTONESに限定してないので、これ面白いよ!という曲があったらぜひ教えてください。
■おまけ
普段は邦ロックを中心に聞いているので作詞・作曲が誰かを調べることはないのですが(基本的にメンバーがクレジットに載るため)、
他ジャンルで気になる曲があったら必ず調べることにしています。
今回も調べました。
作詞:高木誠司
音楽教師の祖父と元国語教師の母を持つ。~2010年までバンドHippogriffのVo&Gtとして野外フェスRUSHBALL、MINAMI WHEEL他の大型サーキットイベントへの出演を果たすなど精力的に活動。現在はボーカル講師・舞台歌唱指導師等、様々なキャリアも持つバイプレイヤー。(引用:ご本人様HP)
作曲:高木誠司・高慶“CO-K”卓史 ※以下、高慶“CO-K”卓史さんのプロフィール
学生時代にギターに出会い、その魅力にのめり込み、プロミュージシャンを志す。高校卒業後、上京し、ギタリストオーディションに合格。横浜アリーナのステージを踏み、プロとしてのキャリアをスタート。豊富なステージ経験、ジャンルを選ばない確かな演奏力、ステージパフォーマンスでサポートミュージシャンとして、確固たる地位を確立。エンターテイメント性を深く理解し、現場をコントロールできる演奏家として、絶大な信頼を得ており、アリーナクラスの現場においてもバンドマスターを任され、数々の実績を残している。海外公演の経験も豊富。ライブ現場におけるアレンジの評価も高く、近年はアレンジャーとしても精力的に活動。自身の活動のみならず、人材育成にも力を注いでおり、音楽スクール「慶音塾」の主宰を務める。(引用:ご本人様HP)
調べるとSnow ManのBig Bang Sweetもこの二人だそうで……ふーん……ちょっと聴いてみようかな……(フラグ)
編曲:高慶“CO-K”卓史・門脇大輔 ※以下、門脇大輔さんのプロフィール
鳥取県出身のバイオリニスト、作曲家、編曲家。 東京藝術大学卒業。 様々なアーティストへの楽曲提供、ストリングスアレンジ、レコーディングなど、その活動は多岐にわたる。 水樹奈々やSuperflyなどのライブサポートでも活躍。(引用:グーグル先生)
東京藝大卒!!??
ナマ言って申し訳ございませんでした。
宗弥でした。
クラシックとロックしか知らない私がSixTONESのNAVIGATORを聴く(前編)
みなさんこんにちは。初めまして。宗弥と申します。
突然ですが、みなさんのお気に入りの音楽は何ですか?
私は普段はジャパニーズロックを聴いて過ごしています。
朝起きたらシャッフル再生でロックをかけて、出勤中はお気に入りのロックを聴いて、退勤中は今流行りのロックを聴いて、
家に帰ったら寝るまで無音で過ごしています。
テレビはありません。
幼少期からクラシックピアノを習っており、ロックに目覚めたのは大学生の時ですが、社会人になってからの方がより聴いている気がします。
私にとっては空気と同然、そこにあって当たり前の音楽です。
そんななか、最近新しいジャンルを知りました。
ジャニーズです。
※厳密に言うと音楽ジャンルではありませんが、そこは割愛します。
みなさん当然ご存知ですよね。
私も有名どころは知っていましたが、所詮テレビで見る知識のみ(そのテレビの知識も今やナシ)。
全くのノータッチでほとんど知りませんでした。
どれくらい知らなかったかというと、画面に映るグループが違うグループに変わってもしばらく気付かなかったくらい知りませんでした。
これは決して私が歳をとっているからではなく、どちらも白い衣装だったからと言い訳します。
最近とある事情からジャニーズという文化に触れる機会が多くなり、新しい知識を知るたびに感嘆のため息を漏らすばかりですが、
(その体験記もいずれまとめたいと思っています)
今回書くのはSixTONESの「NAVIGATOR」という曲についてです。
先日SixTONES好きの方から1stアルバムの「1ST」をお借りしたのですが、
とにかくコードが気持ち悪い!(褒めています)
しかし強い音圧と独特なリズム、そして気持ち悪いコードにもやがてどんどんとハマり、今ではアルバムの中では1番好きな曲となりました。
今回は歌っているメンバーや歌詞、MVについては一切触れず、
メロディー、リズム、音色など曲にだけフォーカスをあてて感想を綴りたいと思います。
再生時間もあわせて書いているので、同時に曲を聴ける方はぜひ聴きながら読んでみてください。
それと、私はプロではなくあくまで音楽が好きなだけの素人ですので、実際と違うところがあってもご容赦いただければと思います。
それではクラシックとロックしか知らない私がジャニーズを聴いたらどうなるのか……!?
最後までお付き合いください。
■イントロ
0:07
4拍子を2拍子に、かつ無音にすることでこの2拍が際立っています。
「…PITCHED UP」という声を聞かせてやるという強い意志を感じます。
0:10
何て?
歌い出しからパンチが効いていますね。歌詞を見ても歌える気がしません。
先程は同じタイミングで2拍子を挟んでいましたが、ここは間髪入れず歌い出すことでより不安定さが立っています。
分かりやすく文字にするとこうです。(#は省いています)
ソ ミ ファ レ/ミ ド ◯ ◯/
ソ ミ ファ レ/ミ ド ◯ ◯/“…PITCHED UP”
ソ ミ ファ レ/ミ ド ◯ ◯/
ソ ミ ファ レ/ミ ド ◯Where do you long to be?
※正確には最後の◯は8分休符
本来は後者の方が拍に忠実なのですが、最初に2拍挟まれたせいと、早口英語のせいで
ちょ、ちょっと待って!
という気持ちになります。
カラオケで歌い出しズレる人絶対いると思うんですけど、逆に何も気にしない方が歌えるのかな……
■1番Aメロ
0:20
何だこのコード!!??
Aメロのポイントはここにつきます。
多分音楽理論を知らない人も、この部分に気持ち悪さを感じた人は多いのではないでしょうか。
解説すると、この曲は基本コードが「C#m」なので、最初から「ファ」「ド」「ソ」「レ」に#がつくことになります。
この場合「A」はトニックコードといい、C#mにおいては主役級のコードです。
しかし!
0:20からコードは「Am」であり、本来つくべきところに#がついていません。
しかもベース音はラなので余計に「A」にいきたいところですが、メロディーの1音目から「ド」に♮をつけてAmにしているので気持ち悪さを増幅させています。
※かなり雑に説明しています!
さらに!
Amになった瞬間バックでブラス(管楽器)の音が鳴っているのですが、これがまたすごい。
もう少し前段階から解説すると、Aメロの2回し目まではほぼバックの音はなく、一瞬ギターの音が聴こえます。
0:11から◯を1拍として聴いてください。
◯ ◯ ◯ ◯/◯ ◯● ◯ ◯
◯ ◯ ◯ ◯/◯ ◯● ◯ ◯
(ギターのフレーズとしては違うのでしょうが、目立って聞こえる部分のみ●で示しています)
ここで鳴っているギターの音はド#、つまりC#で、コードの音です。
他は上の方でストリングスが鳴っているだけです。
正直メロディーが「ド# レ# ミ ファ# ソ#」と階段で上がっていくのでそれだけでコードはC#mだと分かるのですが、
このギターでド#をより一層際立たせているように感じます。
さて、ここまでのバックはド#が聴こえるな~という程度なのですが、
先程も言ったようにコードがAmになった瞬間バックでブラス(管楽器)の音が鳴ったと思いきや、その音は
ド♮
この低めに響く「ド♮ーーー」という音に言いようのない気持ち悪さを感じてしまう……。
Amでしかありえないド♮を、それまで主張してこなかったブラスで鳴らすなんて、
ここに気持ち悪さを感じてください!
と言っているようなものです。
2回し目まではほぼ無音で進行するのに
3回し目から突然バックにブラスの音を入れてきてしかもそれが ド♮
変態なのか……? 天才なのか……?
いや、たった一音で人の感情をこんなにも揺さぶるのだから天才なんだと思います。
ちなみに、これがどれだけ気持ち悪いかをもう少し分かりやすく説明します。
C#だとかド♮だとかは一旦忘れて、ドレミの歌を思い浮かべてください。
ドはドーナツのド レはレモンのレ~ と順番に上がっていき、最後のシに差し掛かりました。
通常であればシは幸せよ~ と一気に駆け上がりたいところですが、シは幸せ~で止められてしまいました。
え!? そこで終わり!? はやく「よ~」にいかせてくれ! と思いませんか。
「せ~」の音程はドレミの歌でいうと「シ」であり、「ドレミファソラシド」の中では大変不安定な音です。
「よ~」の音程である「ド」に収まりたいという性質を持っています。
実は、この「せ~」が「ド♮」であり、「よ~」がC#なのです。
※違いますがそういうことにしてください。
つまりブラスで「ド♮ーーー」と鳴らされてしまうと、
こちらとしてははやくC#に収まらせてくれ~!と思ってしまうわけです。
それが言いようのない気持ち悪さに繋がっているということです。
ちゃんと4回し目でC#に収まっているのでほっとしました。
試しに「A」のままで弾いてみたのですが、それそれは耳馴染みがよいメロディーでした。
でももうAmに慣れている体ではつまらなく感じてしまう……恐ろしい……
■1番Bメロ
0:27
ウッドベースの音した!? こんなゴリゴリの曲で? もし本当なら痺れますね。
後でアルバムの持ち主にクレジットを見せてもらいましたが、ウッドベースの記載はありませんでした。真相は闇の中です。
0:37〜0:39
サビ前までずっとターンタターンタ(シャッフルといいます)のリズムなのに、最後の2拍でベタ打ちになるところが気持ちいい~!!
気持ちがいいです。
あとこの部分、最初は何か他と違うな~と思うだけだったのですが、何度聴いても耳に引っかかる……。
多分歌っている人は2人(メインと1オクターブ下ユニゾン)だけど、メインボーカルの声を重ねており、声は3つに聴こえるから引っかかるのでしょうか。
正直歌に関しては全く詳しくないのですべて予想です。
メインボーカルの方はちょっと金属音ぽい感じがしますね。
もともとの特徴であれば大変目立つ声をしていることになります。
というかこの方の声が随所で目立って聴こえますけど、基本は高音担当なんですかね? 高いだけじゃない、よく通る綺麗な声をしていると思います。
■1番サビ
0:43
きました!気持ち悪いコード!(褒めています)
ざっくり解説します。
ここのコード進行は「A→B→C#」です。(厳密にはAmaj7ですがここではAとします)
先程Aメロの部分で本来は「A」だと言いましたが、ここはきっちりAを当てています。
サビの入りなのでトニックコードのAを当てるのは至極真っ当だと思います。
(正直主メロディーのトップにあるソ#をAにあててAmaj7としているのはお洒落だと思いますが、何せ曲がゴリゴリなのであんまりお洒落感はありません)
その次の「B」も妥当です。
問題は3つ目の「C#」です。基本コードが「C#m」なのでマイナーのままいきたいところですがメジャーにしています。
はい気持ち悪い~
ただしAメロほど気持ち悪さを感じないのは、
Bの4拍目で「シ ド ミ# ファ#」とミに#をつけて先に提示することによって
転調するよ!というサインを出しているからだと思います。
ミ#はつまりファであってC#(ド ミ ソ)と関係ないのでは?と思われるかもしれませんが、
C#の構成音は理論上「ド# ミ# ソ#」なのでミの#は有効です。
先程Aメロの気持ち悪さの解説では、
Amのド♮ーーーが現れるまでバックはほぼ無音(リズムのみ)だったのに対して
ここは一瞬の導きを示してくれています。
さらに、C#m→C#とマイナーからメジャーになってはいるものの
C#(ド#)は共通しているので先程のような「一音上にいかせてくれ~!」という不安定さもありません。
大変有効的に同主調転調をしていると思います。私は好きです。
いっそのこと同主調転調として最初からC#基調にすればいいのに、と思って弾いてみたらめちゃめちゃポップになって笑ってしまいました。
最後だけメジャーになるので程良く仄暗さを残しているんですね。
この後メロディーやリズムは変わるものの、ずっとこの「A→B→C#」で進行し、サビ終わりでC#mに戻ります。
0:56
今はまだ何も言うことはありませんが、最後に大きな回収があるので、もしよければここの後ろで流れているストリングスを聴いておいてください。
……まだ1番終わりなのに4000字を超えてしまったので、ここで一旦区切ります。
次回は2番からそのまま最後までいきたいです! できれば総括も。
2番は先程のような気持ち悪いコード展開はないので比較的短く済むと思います。
軽い気持ちで書き始めましたが、まさかこんなに長くなるとは思いませんでした。
ジャニーズ、恐ろしい……。
最後までお付き合いくださいと書きましたが、初回から途中で切ってしまい申し訳ないです。
ぜひ次回も読んでいただけると嬉しいです!
宗弥でした。